帰路
地震の日。
交通網が遮断され
仕事先巣鴨から
渋谷区の代々木上原まで
歩くことにした。
歩道はとどまることのない人の波。
車は大渋滞の赤いランプの帯が続く。
バス停は7m以上の長蛇の列。
最短距離で凡そ3~4時間。
遊び歩くことを考えれば
短い時間です。
よりによってのヒールだから
目安は4時間ぐらい。
ネオンと渋滞の明かり。
途絶えることの無い人の波。
街中は難民で溢れているような
不思議な光景。
・・・不思議だったのは
光景だけじゃなく
街中の雰囲気。
帰宅時間に
交通網が遮断され
大変な状況ではあるのに
とても平和で和やかな空気だった。
イラツキ争う人もなく
笑いあう人
公共施設の休憩所を案内する人
道を尋ねる人
公衆電話、バス停で並ぶ人
パスタやご飯食べながら
ひたすら歩く人
無料でおにぎり配る人
普段はね
ほんのわずかな移動のときでさえ
必ずいるんですよ
イラツキ喧嘩してる人が。。。
なのに
クラクション鳴らす音も無く
あからさまに争いいらつく人もなく
なんか凄い!
そう思った。
亡き祖父の繰言。
関東大震災の話には、
道なき道、瓦礫の中を
歩く人の様子が語られている。
人々が助け合い
協力し合い
譲り合う姿。
もちろん今も昔も
混乱に乗じて
心無い行動を起す人もいる。
けれども
こんな感覚を感じながら
帰路を歩けたのは
感動でした。
災害に人は試される
というけれど
こういうときこそ
人間性が映し出されるのかも。
そんなことを
アレコレ考え歩く道のり。
4時間はあっというまでした。
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